一口法話

周りを照らす人になろう 浄土宗カレンダー令和六年七月のことば

本堂やお仏壇の前でお勤めする時は蝋燭に灯をともします。

蝋燭の灯はお釈迦様の智慧と慈悲を表します。

つまりお釈迦様は自身も命続く限り精進されたと共に周りを幸せにされました。その象徴が蝋燭の灯なのです。

だから佛ではない私たちの息を吹きかけて消すことは避けなければなりません。ともかく私たちもできるだけ周りの人を幸せにできるよう穏やかな言葉や柔和な顔で接したいものです。

 

 といってもいきなり多くの人を幸せにすることは困難です。

例えば家の片付けにしても、「自分の部屋もきれいにしないと」「リビングも」「お風呂場も」「収納も片付けないと」一度に抱え込むと却って何も手につかなくなります。

 

「一隅を照らす、これ国宝なり」と天台宗の開祖最澄上人はお示しです。

 

ひとつの隅を照らしなさい、つまり、まず自分のできる範囲で慈しみの行いをしていくものこそが国の本当の宝なんですよ、ということです。

小さなことから、また親しい人からこつこつと善行を積みたいものです。

被災地に募金できなくても、被災された人の安否や亡くなった方のご冥福を祈る

ことはできるかもしれません。

そうして善行を積み重ねることで習慣となり、より多くの範囲を照らすことができると思います。

 

ともどもに精進しましょう

心の中も衣替え 浄土宗カレンダー令和六年六月のことば

僧侶も6月から夏着物に変わりますが、昨今の気候変動で5月から替えたりしています

 

無常の世の中で例えば同じ本を再読してもその時の状況によって受け取りも変わってきます

 

心が常によりよい方向に成長するように精進したいものです